先日創刊した弊社の広報冊子『fumble』は、もうお読みいただけましたでしょうか。
今回は、fumble紙面で紹介できなかった、表紙の印刷表現についてお届けします。
そもそもfumbleって何?
表紙の印刷表現 2つのポイント
みなさまの日々のお仕事のヒントになるよう、コンテンツを重視して制作したfumbleですが、弊社は明治元年の創業から印刷を扱ってきた、印刷のプロフェッショナル。コンテンツづくりだけでなく、もちろん印刷表現にもこだわりました。
特に注目いただきたいのが、表紙の印刷表現。「手に取りたくなる表紙でなければ!」ということで、少し変わった工夫が施されています。
こちらが fumble の表紙。ここに、特徴の肝となる2つの技が隠れています。
1. 目を惹く発色!CMYKのM(マゼンタ)を蛍光色に
まずは、下の写真をご覧ください。初回の色校正時の表紙です。
このままでも、落ち着いた良さがありますが、どうもインパクトに欠けます。......もっと目を惹く鮮やかな色で表現したい!
そこで、色々な方法を検討した結果、インク自体を変えてみることにしました。
目を惹く色といえば、蛍光色。通常のCMYK(*)のインクではなく、蛍光インクを取り入れます。
(*カラー印刷で使用される4色。シアン=青緑色、マゼンタ=赤紫色、イエロー=黄色、キープレート=黒 の頭文字をとったもの)
ただし、蛍光インクは刷り上がりの色が浅く出てしまうケースが多いのが難点。
全体の色合いが浅い印象にならないよう、イエローやシアンは通常のインキのまま、マゼンタだけを蛍光に置き換えることにしました。
インクを置き換え、もう一度校正刷りへ。
違いは一目瞭然。意図していたイメージにかなり近づきました!
全体の色の深みはそのまま、目の覚めるような鮮やかさに。色や形がはっきり際立ち、グラフィックの魅力も最大限に表現されています。
2. 触ってみたくなる「とぅるるん感」!大胆すぎる厚盛ニス
もう一つ注目いただきたいのが、表紙の光沢感。
fumble vo.1表紙の質感は、厚盛ニスという加工で表現しています。
雑誌のタイトル部分などで、文字部分だけ立体的に盛り上がって光沢がある加工を、よく目にするのではないでしょうか。
あのように、一般的には、目立たせたい一部分にアクセントとして活用されるのが厚盛りニスです。
しかしなんと、今回のfumble表紙は、ロゴ下範囲のグロス(光沢)部分は全て厚盛ニス。
もはや盛ってない部分の方が少ないほどの、盛りに盛った仕様です。
裏表紙に至っては、ほぼ全てが厚盛ニスという、かなりクレイジーなことをしております。
(ちなみに、厚盛ニスのコストは面積に比例します......)
実は、当初は厚盛ニスは予定しておらず、グロス/マットの表現は「光沢がある用紙を使い、マット調にしたい部分にマットニスを塗る」というプランでした。しかし、実際に試してみると、思ったよりもグロスとマットの差が出ないという結果に。
そこで、逆転の発想で「マットな用紙を使い、マット調にしたい部分 "以外" に厚盛ニスを塗る」という方法を試したところ、これが期待以上の仕上がり!
光沢のある紙が放つツヤとはまた違った、とぅるるんとした潤いを感じる、不思議な見た目の冊子となりました。
実際に触った感触も、なんとも滑らかで気持ちいい〜!
表紙は冊子の顔にあたる部分。
どんなに中身が素晴らしくても、表紙に魅力がなければ、目に留まることなく、手に取ってもらうこともできません。
まずは「目をひくこと」、さらに「興味が湧き、手に取りたくなること」。
この2つのポイントを意識し、デザイン・印刷の両面で試行錯誤しながら制作を行いました。
fumbleをすでにお持ちの方は、今回ご紹介した点に注目いただくと、あらためてお楽しみいただけるのではないかと思います。
まだお手元にfumbleがない方も、下のボタンよりお気軽にお取り寄せいただけますので、ぜひ実物をご覧ください。
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