らしさのあした ブランディングをもっと身近に

このコンテンツでは、企業の「らしさ」をテーマにさまざまな方と対話し、ブランディングをもっと身近に感じてもらうことを目指します。アイデアを共有しながら、「らしさのあした」を一緒に考えていければ嬉しいです。

第3回となる今回は、大手航空会社JALグループの一員であるJAL Agriport(ジャル・アグリポート)の永易(ながやす)俊さんにお話をお聞きしました。

強いブランドほど、ゼロから始められない
- JAL発 農業事業のリアル 前編

強いブランドほど、ゼロから始められない - JAL発 農業事業のリアル 前編 01
(左 弊社 坂本 右 永易さん)

なぜJALが農業? ブランドを活用した地方創生

坂本:
まず御社がどんな会社か、お伺いさせてください。
永易:
JAL Agriportは農業(生産・出荷・販売)に自ら関わり、他社を巻き込んでいくことにより、"日本の農業、特に地域を活性化しさらに国内外を繋ぐこと"を目指して設立された農業法人です。
成田空港近くの農地を使った農産物の栽培や輸出、他にもいちご狩りができる観光農園や、地産地消をコンセプトにしたレストラン運営などをおこなっています。
坂本:
僕が最初にお話をお聞きしたときは、「JALが農産物を作る」のを不思議に思いました。もちろん輸出事業には関連性があるんでしょうが、農園までやっていることに驚きました。
永易:
航空会社が本業なので、農園っていうのは確かにだいぶ離れた仕事かもしれません。これにはちゃんとストーリーがあるんです。
強いブランドほど、ゼロから始められない - JAL発 農業事業のリアル 前編 02
永易:
参入理由は2つあります。
1つは、インバウンドの需要創出や地方創生をキーワードに新規事業に参入し、事業領域を拡げること。
もう1つ、航空事業をやっているからこその理由があります。そもそもJAL便が日本全国にわたって就航しているのはご存知でしょうか。
坂本:
もちろんです。
永易:
北は北海道、南は沖縄まで就航しています。そして地方の小さい空港に目を向けると、周辺地域の主な産業は農林水産業にあたるんですね。

私たちの柱である航空事業でそういった地方に就航していて、その主要産業として農林水産業がある。もし農業が衰退すると、その地方では人が将来的に暮らせなくなりますよね。そうなると私たちがそこに就航し続けるための基盤そのものが失われてしまう。
坂本:
なるほど。
永易:
そんな訳で、私たちJALグループにとって非常に縁が深く、拠点でもある成田空港の近くで農業に参入しました。農業のイメージ刷新や持続可能なモデル作りという、未来に向けた大切な使命を担っていると考えています。
いずれは成田で培ったビジネスモデルを国内外へと展開し、農産物を育てながら、各エリアで農業の魅力を発信していくことを目指しています。
強いブランドほど、ゼロから始められない - JAL発 農業事業のリアル 前編 03
同社が育て、海外に輸出するいちご。JALのファーストクラスでも提供される逸品
例えば輸出事業においては、農産物を適切な高値で仕入れることで、農家の所得向上や日本産農産物の価値向上に取り組んでいます。
また環境負荷の低い資材を使用するなど、環境事業にも力をいれています。そうした活動を通じて、地域農業の衰退を防ぎ、未来へつなぐ持続可能な仕組みづくりを目指します。
坂本:
納得しました。成田で農園をやる点だけにフォーカスすると、事業としての拡大は難しいんじゃないか?とピンと来なかったので。もっと視野の広い、長期的な取り組みだったんですね。
各地方の空港や産業とのつながりという面から見ると、すごくJALらしい事業だと感じました。
強いブランドほど、ゼロから始められない - JAL発 農業事業のリアル 前編 04
ところで、永易さんご自身はこれまで、どのようなキャリアを歩まれてきたんですか?
永易:
もともとはJALの貨物関連のグループ会社でオペレーションや営業をやっていました。日本で預かった貨物を海外に送る輸出の仕事に携わっていました。
坂本:
JAL Agriportにはどういうきっかけで移られたんですか?
永易:
JALグループには社内公募制度があり、ちょうどJAL Agriportが人員を募集していたタイミングがありました。 当時、関西空港で担当していたカーゴ(貨物)の仕事と通ずる部分があり、自分のキャリアの幅を広げる大きなチャンスだと思ってエントリーしたんです。ありがたいことにご縁があって選んでいただき、今に至ります。
坂本:
JAL Agriportに移られた後は、どういうお仕事から始まったんでしょうか?
永易:
まずは輸出する商品のことをとにかく勉強しました。いちごの作り方を学ぶところからですね。
坂本:
農業そのものから!
永易:
現場の方々と一緒に農作業をしたり、自分でいちごを納品したりと、まずは自ら手を動かし、農業の基礎を学ぶところから始めました。
坂本:
それまでと全く違うお仕事ですね。大変じゃなかったですか。
強いブランドほど、ゼロから始められない - JAL発 農業事業のリアル 前編 05
永易:
大変ですけど、どちらかというと新しいことをするのが好きなタイプなので。苦痛はなかったです。
ここに来たことで、久しぶりにいちごを食べました。これまで食べる機会もそんなになかったので。刺激的な毎日です(笑)。

中編に続く

(撮影 Hide Watanabe)

中編はこちら

サービスを詳しく知りたい方はこちら

BRUNd. 特設サイトを見てみる
BRUNd. 特設サイトを見てみる