国内導入実績

姫路聖マリア病院様 (兵庫県)

作業負担の軽減が、データで見える化された

バーナケアは、一回当たりの処理時間が2分、一度に最大4つまでの容器を投入できます。実際に使ってみて、現場にどのようなメリットが生まれたのでしょうか。

山中看護部長 私は、汚物処理のプロセスが統一化されたのが大きなメリットだと思っています。感染予防や環境整備に関する教育は、どのスタッフにも行っていますが、容器の洗い方などは人によってまちまち。でも、バーナケアという処理システムが一つ入ることで、各職種はもちろん、実習に来られる看護学生まで、「フットセンサーに足を入れて自動でフタを開け、そこに容器を投入するだけ」という処理方法の統一化ができました。これまで自己流だった処理を、誰がやっても同じレベルにそろえられたわけです。

村前看護師長 実を言うと、現場では導入当初、少し混乱がありました。何でもそうですが、新しいものが入ると最初は戸惑うんです。でも、汚物処理の時間や回数を1か月間毎日カウントし、客観的なデータにまとめてみると、作業効率が向上していることが目に見えて分かりました。自分たちの業務を客観的に見つめることにもつながったためか、「なくてはならないシステム」という認識が広がるのが早かったですね。

今川CNIC 人や物との接触による交差感染対策を強化できたのも、良かった点です。バーナケアのように、手にとった汚物容器を他人や物に触れず一人完結型で処理できると、汚染が広がりません。ノロウイルスのように、排泄物の容器を介してスタッフや患者様に感染が連鎖していくと、最悪の場合、入院制限や病棟閉鎖も起こり得ます。こうした見えないリスクを予防する“転ばぬ先の杖”として、交差感染対策の強化は非常に重要です。

汚物処理手順の統一、作業の効率化、感染連鎖の予防のほかに、想定外のメリットや効果はあったでしょうか。

山中看護部長 ポータブルトイレの場合、専用バケツを使うのが通例ですが、尿器と違ってサイズが大きいため、その都度手洗浄するのが大変でした。だから「あと一回くらい、このままで置いておこう」という気の緩みがスタッフに生まれるんです。でもそのことが、排泄物が入ったバケツが長時間病室に置かれる原因に。「これでは患者様に快適な療養環境を提供できない」とずっと気になっていました。ところが、専用バケツをパルプ容器に変えると「紙の容器だから早く処理しなきゃ」という心理が生まれ、その都度処理することが習慣化されたんです。

村前看護師長 パルプ容器だと排尿時の音がまわりに響かない、というのも予想外のメリットでした。紙製で、しかも深さがあまりないので、音が軽減されるんでしょうね。特にポータブルトイレを使う女性患者様の場合、周囲に音が聞こえるのは恥ずかしいもの。これが解消されるだけで、気持ち的に楽になります。