国内導入実績

姫路聖マリア病院様 (兵庫県)

自立支援につながれば、おむつの使用量を減らせる

患者様の自立支援にもバーナケアを生かそうとしておられるところが、すばらしいと思います。具体的に、どのような取り組みになるでしょうか。

山中看護部長 昼間はおむつではなく、ポータブルトイレを使用していただくことが、患者様の自立や生活動作の回復につながります。それには、看護スタッフが質の高いケアを意識できる「時間の余裕」が必要。そのために、スタッフの作業負担を減らしたり、汚物処理の心理的負担を取り除くことが大切だと思っています。また、患者様にポータブルトイレの使用を促す意味でも、処理が簡単で音を軽減できる紙パルプ容器は有用です。

導入に関して、何かデメリットはあったでしょうか。パルプ容器の購入コストが、導入時のネックになったとお聞きしています。

山中看護部長 確かに、パルプ容器の購入費は病院側のランニングコストとしてのしかかってきます。でも、パルプ容器をおむつ同様、治療とは直接関係ないサービスに係る費用として患者様にご負担いただければ、この課題をクリアできると考えました。実際に行政機関に確認したところ、およそ3週間で「患者の同意があれば問題ない」という回答をいただきました。行政機関に確認するときも、パルプ容器の導入によっておむつの廃棄量を減らせる、と訴えかけました。おむつは感染性の廃棄物ですから、患者様にポータブルトイレの使用を促すことで使用量や廃棄量を減らせれば、地域の環境保全にもつながります。それを伝えたところ、すぐに納得してくださいました。この患者様のご負担はすでに実施しております。

今川CNIC 本音を言うと、パルプ容器については別の心配もありました。あのグレー色に患者様が抵抗感を示すのではないかと。でも実際に使ってみると、気にされる方はほとんどいませんでした。

村前看護師長 尿の色を判断しにくい、という難点もありましたが、色の観察が必要なときだけ、透明な別容器に取ればいいだけの話。観察が必要な患者様はむしろ少ないので、問題は生じていません。

今後、バーナケアの導入をさらに進めたいとお考えでしょうか。

山中看護部長 現在、新病棟を建設中ですが、そこにもバーナケアを導入する予定です。海外、特にイギリスでは90%以上の普及率だと聞いていますし、当方の老人保健施設では、すでに欠かせない処理システムになっています。また、ワークライフバランスにも重点を置いていますので、スタッフの働きやすさ、快適な職場づくりにもつながればと思っています。