しかし、表現には特殊な印刷・加工を繰り返す必要があり通常印刷以上の作業日数が避けられません。冊子の性格上納期の延長は困難なため、残念ながらこの表現技法はあきらめざるをえませんでした。
変わって候補にあがったのが通常の4色印刷(印刷はCMYK=シアン、マゼンタ、イエロー、黒の4色を掛け合わせて表現されます)にシルバーインキ1色を加えた5色での表現です。この方法であれば通常の印刷工数での対応が可能で、コスト的にも大きな追加費用はかからないため一旦こちらのプランで試作を進めてみることとなりました。
しかし、検証を進めていくと裏映りや擦(こす)れが発生し、狙う表現と印刷物としての品質担保が中々両立できません。インキを変更し含まれる原料素材の配合バランスを見直すなど試行錯誤を繰り返した結果、ニスを含んだ疑似的なシルバーでユニークかつ高品質な冊子表現にたどり着くことができました。